厳しい寒さが続き、顔や手足がカサカサ…乾燥が気になる季節です。
では、なぜ冬は、乾燥肌になりやすいのでしょうか?
今回は、乾燥を防ぎ、うるおいに満ちた肌を目指す秘訣をお話いたします。
肌の基礎知識
私たちの身体の表面を覆う肌は、「人体最大の臓器」といわれ、全身の肌を1枚に広げると、成人で畳1枚分ほどになります。
肌は、私たちの身体を外部の刺激や細菌から守る役割を果たしています。
外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」の大きく3つの層から成り立ちます。
そして、目に見える表皮は、官製はがきの厚みと同じ0.2mmほど。
その表皮の中では、細胞が絶えず分裂し、新しい細胞をつくり、一定のサイクルで肌が新しく生まれ変わっています。
これをターンオーバー(肌の新陳代謝)といいます。
ターンオーバーがスムーズに行われることで、バリア機能の役割を果たし、肌が健やかな状態を保つことができます。
しかし、冬は、湿度の低下や長時間の暖房により、外気だけでなく、室内も乾燥しやすい状態となり、肌の水分が奪われがちです。
また、気温が低くなることで、血行不良となり、肌のすみずみまで栄養が届かなくなります。
そして、ターンオーバーが乱れ、肌のバリア機能が低下し、肌が乾燥する要因となるのです。
ちなみに表皮の一番外側にある角層はたった0.02mm、わずか食品用ラップ程度の厚みしかありません。
その角層には、約20~30%の水分が含まれていますが、これより水分が少ない状態を「乾燥肌」といいます。
乾燥肌だと、水分が10%以下まで減少するといわれています。
うるおうメカニズム
角層は、細菌や紫外線など外部からの刺激から肌を守るとともに水分を保ち、蒸発を防ぐバリア機能の役割があります。
この角層は、「皮脂膜」「天然保湿因子」「角質細胞間脂質」の3つによって構成され、肌のうるおいが保たれています。
皮脂膜
肌表面を覆っている皮脂と汗の成分が混じりあってできた"天然の保湿クリーム"で水分の蒸発を防ぎます。
天然保湿因子
アミノ酸や尿素、塩類などがあつまり、水分を捕まえて離さない性質があります。
角質細胞間脂質
角質細胞と角質細胞の間を埋めている脂のことで水分をはさみこみ逃さない性質があります。
ターンオーバーが乱れると、未熟な角層がつくられてしまいます。
そうなると、バリア機能が弱まり、外部からの刺激を受けやすくなり、乾燥肌の原因となってしまいます。
それだけではありません。外からの刺激を受けやすくなることで、シミやシワができる原因にもなってしまうのです。
それでは、どのような対策をすればいいのでしょうか?
肌リズムを整える栄養素
内側からのケアとして「食生活の見直し」がいえます。
肌のターンオーバーを正常に戻し、毎日の食事の中で特に肌リズムを整えてくれる次の栄養素をバランスよく摂ることがポイントです。
ビタミンB2
細胞の再生・成長を促進するため、ターンオーバーに必要な成分です。
主な食品:レバー、納豆、卵、うなぎ、アーモンド
ビタミンB6
肌のターンオーバーのリズムを整えます。
主な食品:鶏むね肉、豚肉、卵、大豆
ビタミンC
紫外線などから肌を守ります。コラーゲンの生成を促します。
主な食品:いちご、キウイ、小松菜、パプリカ、ブロッコリー
ビタミンA
肌の乾燥を防ぎ、皮膚の粘膜の健康状態を正常に保ちます。
主な食品:レバー、うなぎ、ほうれん草、にんじん、かぼちゃ
鉄分
血行を促進し、くすみやクマを防ぎます。
主な食品:高野豆腐、小松菜、ひじき、まぐろの赤身
タンパク質
細胞やコラーゲンをつくるもととなり、代謝を促進します。
主な食品:肉、魚、卵、大豆、乳製品
亜鉛
肌のターンオーバーを維持するのに欠かせない栄養素です。
主な食品:牡蠣、牛肉、チーズ
不飽和須脂肪酸
肌の表面を覆う皮脂の材料となります。
主な食品:サバ、イワシ、えごま油、あまに油
すこやかな肌のために、十分な睡眠、スキンケアによる外側のケア、そして内側のケアとして肌リズムを整える栄養素をバランスよく摂るようにしましょう。
食事だけで難しい場合は、スーパーフードをうまく取り入れてみてください。
そして、乾燥肌に負けない肌へ。