「はちみつ」と「ローヤルゼリー」の違いをご存知でしょうか?
"ローヤルゼリーは高級なはちみつのこと?" "はちみつを原料に良い成分を入れたものがローヤルゼリーでは?"
違います(笑)。どちらも、ミツバチがつくりだすものであることは確かなのですが、「はちみつ」と「ローヤルゼリー」は全く違うものなのです。
今回は、はちみつとローヤルゼリーの違いをお話したいと思います。
まずは、歴史をみてみましょう
はちみつとローヤルゼリーの歴史
人間とミツバチの関わりは、紀元前6000年頃、スペインのラ・アラーニャ洞窟の壁画に、壺を片手にはちみつを採る人、ミツバチが描かれています。
そして、今から約2400年前の古代ギリシャ時代、哲学者アリスト手レスが執筆した「動物誌」に「濃厚なはちみつに似た淡黄色の柔らかいもの」とあり、ローヤルゼリーのことだといわれています。
次に約200年前、ミツバチ研究者フランソワ・ユベールが出版した「ミツバチの新観察」で、"ゼレー・ロワイヤル"と記載されてから、ローヤルゼリーの名称が使われるようになりました。
それから、ローヤルゼリーの持つパワーが、世界中に知られたのは、危篤状態になったローマ方法ピオ12世がローヤルゼリーによって生還し、命が救われたという話が伝わってからです。
では、次に「はちみつ」と「ローヤルゼリー」を比較していきます。
はちみつとローヤルゼリーの比較
できるまで
はちみつ
働きバチが花蜜を収集し、体内でブドウ糖と果糖に分解し、巣に蓄え、羽ばたきによって水分を蒸発させ、糖度80%以上になるまで濃縮されたもの。
ローヤルゼリー
若い働きバチが花粉を材料に体内で合成することでつくられます。つくられたローヤルゼリーは、下咽頭腺や大顎腺から分泌されます。
見た目
はちみつ
花の種類によって異なる、薄い赤黄色~濃褐色
ローヤルゼリー
乳白色でクリーム状
味
はちみつ
甘みがある
ローヤルゼリー
ピリッとした酸味がある
成分
はちみつ
糖質が約80%、残り20%は、ほぼ水分、数%がビタミン類、ミネラル、アミノ酸など
ローヤルゼリー
水分が約65%、糖質が約10%、タンパク質が約13%、脂質が約5%、その他7%
用途
はちみつ
働きバチと雄バチの食料
ローヤルゼリー
女王バチだけが食べられる特別食、女王バチは生涯、ローヤルゼリーだけを食べ続け、産卵などに必要なエネルギーを補給します。
また、生後3日以内の幼虫にも与えられますが、ワーカーゼリーと呼ばれ、ローヤルゼリーよりも栄養価が低いものとなります。
※ローヤルゼリー特有成分
ローヤルゼリーだけに含まれる特有成分として、デセン酸、アピシン、類パロチン、ビオプテリンなどがあります。
保存方法
はちみつ
常温保存
ローヤルゼリー
冷蔵庫(10℃以下)で保存、1ヶ月以上長期保存の場合は、冷凍庫で保存
働きバチと女王バチは同じ遺伝子を持つものの、食料が「はちみつ」か「ローヤルゼリー」の違いだけで、
寿命が働きバチが約30日、女王バチ約3年、大きさは働きバチの約2倍で、毎日2000個以上の卵を生み続けます。
同じ遺伝子なのに・・・「ローヤルゼリー」のパワーって神秘的ですね。
このように、はちみつとローヤルゼリーとでは、見た目も味など全く違うものであることをお分かりいただけたのではないでしょうか。今後の商品選びの際にお役立ていただけますと幸いです。